そのままでは投資を受けられない!?投資家から見たLLCのデメリット

architecture-1727807_1920アメリカ企業の多くはデラウェア州に登記された株式会社(コーポレーション)だと言われていますが、それはスタートアップでも同じ。特に、VCから資金調達する企業にとって、「デラウェア州」の「コーポレーション」というのはデファクトです。

ところが、創業時のFacebookがフロリダ州のLLC(Limited Liability Company)で設立されたように、中には「デラウェア以外」「コーポレーション以外」で設立されるスタートアップも存在します。こうしたスタートアップ、特にLLCは、VCにとって非常に投資をしにくいというのが実情です。

VCがLLCへの投資を嫌がる理由はどういったものがあるのでしょうか。今回は投資家からみた、LLCのデメリットについてご紹介します。

4つのデメリット

■1:上場できない
日本も同じですが、上場するということは市場で「株式」が売買されるということであり、当然株式会社でなくてはいけません。LLCのままでは上場できず株式会社に転換しなくてはいけないので、始めから株式会社がベターです。

■2:Exit手法が限定的
株式のようにわかりやすい形で所有権が分割されていないため、相対での持ち分売買が難しく、VCにとっては機動的なEixtが難しくなります。

■3:ガバナンスが不明確
デラウェアの会社法に従って運営される株式会社に比べ、LLCは会社法の定めがなく自由な運営が可能です。(それがLLCのメリットの一つです。)そのため、パートナーシップ契約に記載されていないことは投資家間の合意にならず、何かを規定したい場合契約での手当が必須となり、契約書のレビューが著しく面倒になります。

■4:課税がパススルーされる
税務上パススルーであることはLLCの特徴の一つですが、投資家はLLCに代わって税金を払う必要が出てきます。(赤字のうちはLLCに代わって節税ができるともいえます。)

日本の投資家にしても、米国LLCに投資をすると、その投資先がPE(Permanent Establishment)とみなされ、投資先LLCのために税金を払ったり米国で確定申告をしなくてはいけない可能性がでてきます。

おわりに

いかがでしたか。スタートアップにとっては、ガバナンスの自由度や、パススルーによる2重課税回避など、ちょっとしたメリットもあるかもしれませんが、VCから資金調達をしようとするとLLCであるがために投資を見送られてしまいます。絶対自己資金のみでやっていく、という確証がない限り、はじめからデラウェアのコーポレーションで設立しておくことが無難かもしれませんね。

【参考リンク】
スタートアップからのシリコンバレー進出2:会社登記はどこですべきか
Four reasons your startup shouldn’t be an LLC
Why VCs only invest in C corporations

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