余裕のないスケジューリングは危険!!結構時間がかかる譲渡制限株売買、5つのプロセス

stairs-918735_1920LINEを筆頭に2016年も引き続き堅調なIPOマーケット。IPOに限らず、Frilの楽天への売却など、大企業へのバイアウトもだいぶ普通のことになってきました。

一方、ベンチャーキャピタルから見た場合、ファンドの期限(運用期間は通常10年)が到来すれば、IPOやバイアウトをまたずして投資先をExitしなくてはいけません。この場合、自身の持ち分を第三社に売却することになります。企業のコンディションや株主の顔ぶれなどにより、売り先はさまざま。創業者や既存株主、あるは、新規の第三者株主に売却するケースなどがあります。

さて、いずれにしても非上場株の売却になるわけですが、日本の非上場企業の場合その株はほぼ譲渡制限株式。これは通常、取締役会の承認がないと譲渡できないことを意味し、すなわち取締役の過半の同意が得られなければ売却できないことを意味します。関係者みんなが売却に同意していればただの手続きなのですが、株主同士が対立してたり、新しい株主の参加が好ましくなかったりすると、意外ともめるもの。実際の売買にかかる手続きはしっかりと把握しておきたいものですね。

そこで今回は、譲渡制限株式の売買プロセスについてご紹介します。

譲渡制限株式売買の5ステップ

譲渡制限株式の売買は、通常以下のようなプロセスで行われます。みんなが同意してくれればなんてことはないプロセスなのですが、取締役会の意見が割れている場合などは、慎重に進める必要があります。

■0: 売却先の決定
売却のプロセスに入る前に、当然売り先を決定しなくてはいけません。みんなが(特に取締役会が)納得する売り先を見つけるのが意外と厄介だったりして、ここにかかる期間をヨミ間違えないようにするのは非常に大事です。

■1: 売主と買主で、株式譲渡契約の締結
売り手/買い手・譲渡価格(株価)や株数・クロージングデートなどを記載したシンプルな契約書。3、4ページ程度の契約書で済むと思われます。

■2: 売主から対象会社へ、譲渡承認請求
自身の保有する株数と譲渡する相手を記載したペライチを送れば問題ないでしょう。

■3: 対象会社にて、取締役会実施・譲渡を承認
みんなが同意していればしゃんしゃんです。
もちろん、意見が分かれても過半で押し切ることはできますが、禍根が残ります。日本ではまだそこまで意識されていないように思いますが、取締役会を支配しておくのは、めちゃくちゃ重要なことです。

■4: 買主から売主へ、譲渡代金の支払い
譲渡承認で安心してはいけません。買主が経営陣(個人)だったりする場合、しっかりとお金が支払われるまで安心できません。

■5: 売主・買主から対象会社へ、株主名簿書換請求
入金が確認できたら、株主名簿の書換えを請求します。株主名簿が書き換わり、無事に新旧の株主が入れ替わります。

なお、もしも取締役会で譲渡承認が否決された場合、売り手は会社に対して「買取人指定請求」をおこないます。買い手に不満があるなら他の誰か(もしくは自分)に買ってもらうよう指定してね、ということですね。この場合、このあとさらに数十日が必要になってしまいます。

おわりに

いかがでしたか。なにかと華やかに見えるVC業界ですが、あくまでファンドはファンド。限られた期限の中でお金を運用し、資金提供者(LP)にお金を分配しなくてはいけません。ファンド自体の延長、という対応もありますが、いずれにせよいつしかExitしなくてはいけないということを念頭に、余裕のある対応が必要ですね。

【関連リンク】
譲渡制限株式, じょうとせいげんかんぶしき

【参考リンク】
譲渡承認請求手続きの流れ
コーポレート関連手続

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